油そばのお店にて

 

油そばのお店に行きました。甘じょっぽくて絡みつくような味が無性に恋しくなって、たまに行きます。

店入った時は私だけ。大盛りサービスなので、迷わず大盛り。

しばらくすると、大学生ほどの男性が2人入店。常連らしく、やれ今日は何食べる、やれトッピング何にするか、などなど盛り上がっている。友人と来る飲食店は楽しいですよね。

彼らも注文を終えた頃、私の油そばが到着。甘いタレの匂いが漂い、そうそうこれこれと何も加えず混ぜて食べる。美味い。

また1人来店。細身でスーツのよく似合う女性であるが、彼女も迷わずに大盛りを注文。そうこなくちゃ。

私の油そばが3分の1ほど減ったところで、酢とラー油を入れる。一番シンプルな油そばの形にするのである。酢は2回りほど、ラー油は4回りかもう少し多くかけ、辛味を増すのが好みです。

左奥に座っていた男性2人組が静かだと思ったのだが、黙々と油そばを食べている。無我夢中のようです。

私の油そばはさらに3分の1ほど減っているので、温泉卵を入れる。こうすると一気に甘みが増して、甘じょっぱさと辛味と酸味が絡み合う素晴らしいものになります。少しずつ味を変えて行く楽しみ。

右に座った女性にも油そばが到着。すぐさま酢とラー油に手を伸ばし、これでもかと豪快にかける。微調整なんてチマチマやってらんねぇよ!とばかりの大胆さ。拍手。

左手からやにわに話し声が聞こえて来る。彼らも食事を終えて、平時の会話に戻ったのでしょう。よく笑っている。

私も食べ終わる。グラスの水を飲み、口の中に残る余韻ごと流し込み立ち上がる。荷物を手にして顔を上げると店員と目が合う。

「ありがとうございました!」

「ごちそうさまでした!」

彼らはしばらく夢中で話を続けるであろうし、彼女は食べ終わると満足気に「ごちそうさま!」と言ったことでしょう。