転換

 

誰かの話題を見ると、その時の自分はどうだったかなと思い出す。

 

挫折感からだろうが、現実逃避しながら3年間過ごして来たのだが、苦しみがいつも伴っていた。

楽しいのだが、終わればまた日常に戻るだけで、日常は退屈ではないから疲れてしまう。未来に期待感が持てなければ、最高の気分である今終えてしまった方がいいんじゃないか。これから上がる気がしない。人生も利確すべきじゃないか。そんな思いで過ごせば、陰鬱な気持ちが高まるのも当然である。

 

その気持ちは、考え続けることが習慣になる中で、自惚れに気が付き、自尊心を放棄出来るようになったときに和らいだ。

理想が非常に大きかったのだろうけど、限られた時間とリソースでは多くをどころではなく、何もなし得ない。自分は凡人なので、自分の幸福追求が精一杯。そしてそれも、周囲を変えることは出来なくて、心地よい場所へ自分が移動するしかない。正しさではなくて、楽しさを追求しようよという思考の転換が、精神的な改善であったと思う。

 

そんな中で、最高に楽しくて、あー寂しいな、と思っていたときに、「寂しいけれど、また会えるから」と言ってもらえたのは嬉しかった。数年で消えて行く人が多い中で、長年居続けた人の言葉は力強かった。

永遠なんてないとわかっているからこそ、聞いたときに優しさを感じたし、心でモヤモヤしていたものが一気に晴れて行った。

 

尊いものを見て感じて、卑しい自分を受け入れられたあの日を、ふと思い出した。