間違った方向の正しさについて

 

ぼんやりと考えてたいたことの消化。

細々とこうすれば良かったなぁと思うことはあれど、生まれ変わってやり直せたらと思うほど後悔している物事は少ない。特に仕事関係ではその傾向が強い。

数少ない物事の一つとして、人の心に消えぬ傷を与えてしまったのではないかと思うことがある。

優越的な地位を振りかざして他人を苦しめる、ましてや暴力など許されるはずがないというのは今も変わらない。ただその解決を自分だけで成し遂げようとして、独りよがりに闘いを繰り広げても、それを万人が正しいと考えるのだろうと思っていた。

だが実際には、誰もが正義を振りかざせばどんなことでも許されるとは考えていない。荒々しい闘いが間近に起きると、その繊細な心を傷つけてしまう人がいる。

そのことを知ったとき、自分自身も罪深き人となった。自分の利益と欲望のために人を傷付けることと、自分の理想を実現するために人を傷付けること。傷付けられた人からしたら、一体何の違いがあるのだろうか?

ゆで卵が生卵に戻らないのと同じで、人の心も不可逆的である。人を傷付けてしまったら、あれほど憎んだ相手と変わらないのである。

これは愚かさと自惚れの償いである。例え許されなくとも、人は人を愛して幸せを祈るのである。